Z世代の恋愛観から結婚観、子育てにまつわる本音を調査。過半数が「子どもを持ちたい」という結果に。メディアが映すZ世代の虚像とは?

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Webメディア「NoFrame」を運営する株式会社NoFrame(東京都台東区、代表:唐 しゃゆ)は、Z世代の恋愛観、結婚観、子育てについての調査を実施しました。

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「恋愛も、結婚も、子育ても、いらない」って本当?

Z世代は本当に“個人主義で家庭を望まない”のか。メディアで語られるイメージに違和感を覚えた株式会社NoFrameが、当事者たちの声を聞くべく独自調査を実施しました。


【調査概要】

■調査対象
18歳~29歳(Z世代)
未婚、多様化した社会で青年期を過ごした、20代~30代の未婚の若者(n=500)

■調査期間
2024年8月2日~2024年8月9日

■調査方法
アンケート調査ツール(Google フォーム)を利用したインターネット調査

■調査機関
外部調査会社のアンケートパネルを使用(NoFrame調べ・Freeasy利用)

調査結果

調査結果サマリー

  • 「恋人が欲しい」と答えた人は56.6%、「欲しくない」と答えた人は43.4%
  • 「結婚したい」派は55.8%、「したくない」派は44.2%で、恋人観と同程度
  • 「将来誰かと一緒に住みたい」人は57.2%、「住みたくない」人は42.8%
  • 「将来子どもを持ちたい」人は48.8%、「持ちたくない」人は51.2%で、否定派がやや多数

    子育てに必要だと感じること
    男女共通:体力、命を預かる責任、無償の愛情、両立力。
    男性:育児の「アクティビティ」的側面を重視、過去の常識への対応意識が高い。
    女性:家庭内ケアや経済面の負担感、スケジュール管理の重視が顕著。

    不安の背景と要因
    育児とキャリア・自由の両立困難、少子化への諦観、経済的負担が子どもを持つ不安の主因。
    性別役割意識の残存が、選択に影響を与えている可能性。

    少子化対策への意識
    施策への満足度は低く、「効果を感じない」または「あてはまるものがない」との声が多数。
    政策への関心の低さ・不信感、情報不足が背景と考えられる。

    今後求められる支援や施策
    男性:経済的支援・雇用創出など安定を求める声が多い。
    女性:結婚・出産の直接支援(費用補助、育休・復職支援など)を求める声が多い。
    その他:精神的サポート、子育て環境整備、恋愛や家庭の良さの再認識促進などの要望も。

恋愛について

恋人について「とても欲しい・できれば欲しい」と答えた人は56.6%、「あまり欲しくない・全く欲しくない」と答えた人は43.4%となり、恋人を求める人の方が多い結果となりましたが、それほど大きな差ではありませんでした。

「恋人が欲しい」と答えた人の理由として、男女共に
・一緒にいるときの楽しさ
・やさしさ
・家庭的な温かさを感じる
・悲しい時辛い時に支え合える

などが男女共に上位にあがりました。
一方で、「恋人が欲しくない」と回答した人の理由として、
・ひとりでいるほうが楽しい
・人間関係のストレスを避けたい
・恋愛に対する興味がない
といった理由が挙げられました。


結婚について

「将来結婚したいか」の質問に対しては、「絶対にしたい・できればしたい」が55.8%、「できればしたくない・全くしたくない」が44.2%という結果になりました。こちらは「恋人が欲しい・欲しくない」の結果とほぼ同じ割合です。

「結婚したい」と答えた人が結婚する相手に求める条件について、恋人に求める条件とほぼ同じ理由が挙げられました。一方で、「結婚をしたくない」と回答した人の理由として、こちらも恋人が欲しくない理由と同じ結果となりました。

同居について

「将来誰かと一緒に住みたいか」という質問に対し、「絶対に一緒に住みたい・できれば一緒に住みたい」と答えた人が57.2%、「あまり一緒に住みたくない・絶対に一緒に住みたくない」と答えた人が42.8%と、同居したいと考える人が多く「同居にメリットがある」と感じている可能性が高いことが分かりました。

子どもを持つことに関して

男性は子どもを「持ちたい」と考える割合が高い一方、女性は「持ちたくない」という意見が優勢でした。持ちたい理由としては、男女ともに「自分の家庭を築きたい」「子どもが好き」といった回答が多く、持ちたくない理由のトップは「育児に伴うストレスや責任を回避したい」という意見でした。

子どもを持ちたい・持ちたくないについて

「将来子どもを持ちたいか」という質問に対し、「絶対に持ちたい・できれば持ちたい」と答えた人が48.8%に対し、「持つつもりはない・断固として持ちたくない」と答えた人が51.2%となりました。

さらに、男女別の統計を見ると、男性は「持ちたい」と答えた人が53.2%に対し、女性は44.4%となり男性の方が「持ちたい」意欲が女性より強いことが分かりました。

子どもを持ちたい理由について

「子どもを持ちたい」と答えた人の主な理由として、
・自分の家庭を築きたい
・子どもが好きだから
・子どもから楽しみや喜びを与えてもらいたい
・親に孫を見せてあげたい
といったものが挙げられ、自分の家庭を築きたい、子どもが好き、という理由は男女共通でした。

子どもを持ちたくない理由について

「子どもを持ちたくない」と答えた人の主な理由として、
・育児に伴うストレスや責任を回避したい
・自由に生きていきたい
・子どもが苦手
・人の命に責任をもてない
などが挙げられました。

「子どもをもつ」ことへの不安については、
・育児に対するストレスや責任を感じつつ、キャリアや自由との両立が難しい
・少子化への諦観
・経済的負担
といったことが浮き彫りになりました。

子育てする上で必要なことについて

「子育てする上で必要なことは何だと思うか」という質問に対し、
・体力
・忍耐力
・命を預かる責任
・無償の愛情を与えること
・仕事・家事・育児の両立
が上位にあがりました。

男女とも特に「体力」「子どもの命を預かる責任感」という回答が多く、特に男性は「過去の子育ての常識の押しつけへの対応」が女性の倍以上となりました。女性は「家族全員のスケジュール調整」「家族全員を養える収入の確保」が、男性の倍以上という結果となりました。

少子化対策に関する関心と要望について

さらに、男女ともに愛情表現や親子関係の質を重視する傾向があり、男性は育児において運動や体力仕事を担う意識があり、育児の役割を「アクティビティ」と捉えている可能性があります。一方、女性は子どもの命に対する責任を強く感じ、家庭内で子どものケアを担う意識が根強いと考えられます。

以上のことからも、男女ともに依然として求められる性別的役割が、「子どもを持つこと」へのためらいにつながっている可能性が考えられます。

「効果がある施策」「効果を感じられない施策」のいずれについても、「あてはまるものがない」という回答が多くみられました。これは若者が政治に無関心、または懐疑的であることを示している可能性や、情報が不足していることによって、政策が自分たちの生活にどのように影響するのか実感しにくい現状を表しているといえそうです。また、政府などへの信頼が低く、現実の問題に十分対応していないと感じている可能性も考えられます。

男性では、経済的な安定や雇用の創出に関する施策(中小企業支援や新しい産業への投資など)の回答が多く、女性は、結婚や出産の直接的支援(出産費用補助、育休や復職の支援など)が多く挙げられました。

女性が経済的に自立することで、家庭内でも対等な関係を築きやすくなり、男性も「育児や家事は女性が担うもの」という固定観念や社会的なプレッシャーから解放され、必要な支援を受けやすくなると考えられます。


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しゃゆーんのアバター しゃゆーん 「NoFrame」編集長

「NoFrame」代表。上海うまれの上野・浅草そだち。日本大学大学院文学研究科中退。リモートワーク歴10年。自分が興味をもったものは即検索・即実行がモットー。通算4000人以上、子どもから大人まで幅広い世代のかたと面談してきました。その結果、スタートアップ・ベンチャー企業の総合的な立ち上げ支援のかたわら、全世代の仕事・育児・教育が融合した新時代のコミュニティ・スペースの設立に奔走中です。

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