【編集長インタビュー vol.1】No Frameから伝えたいメッセージ 私たちはもっと自由になれる

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こんな方にお話を伺いました
唐しゃゆ(しゃゆーん)

「NoFrame」代表。上海うまれの上野・浅草そだち。日本大学大学院文学研究科中退。リモートワーク歴10年。自分が興味をもったものは即検索・即実行がモットー。通算4000人以上、子どもから大人まで幅広い世代のかたと面談してきました。その結果、スタートアップ・ベンチャー企業の総合的な立ち上げ支援のかたわら、全世代の仕事・育児・教育が融合した新時代のコミュニティ・スペースの設立に奔走中です。

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とらわれていた”枠”から解放されて自由に生きる人を増やしたい

鈴木せいら
「枠を飛び出そう!」というメッセージをこめてスタートしたメディア「No Frame」。ここから楽しいことが始まりそう、とワクワクしています。編集長である唐さんは、いつ頃からこのメディアを立ち上げようと思っていたのですか?
しゃゆーん
編集をしたい、自分で雑誌を作ってみたいという気持ちは子どもの頃から持っていました。子どもの時に何かつらいことがあっても、本を開くと心がなぐさめられた。本が好きだったんですよね。地元に大きな区立図書館があったので、毎週通っていました。それこそ、本棚の端から端まで読んで。
しゃゆーん
ですから、「No Frame」というメディアが誕生したのは、ずっと大切に温めてきた卵がかえったような気持ちです。
鈴木せいら
「枠を飛び出す」というコンセプトが生まれたきっかけは?
しゃゆーん
直接的なきっかけがあったというよりは、私がこれまで仕事を通して出会った人たちが枠にはまってしまっているために「もったいないな」と感じる場面が多かったから。枠にはまってしまっている、というのは本人も知らず知らずのうちに固定観念にとらわれてしまい、自分の選択を狭めてしまっている状況です。
鈴木せいら
例えば、どういう状況の人を見てそう思ったのでしょう?
しゃゆーん
最初に塾長として働いた学習塾にやってくる子どもたち。その後、オンラインアシスタントサービスの会社で出会った日本全国・海外在住で働きたいと思っているひとたち、主に女性と関わる中でそう思いました。

本当はどんな人も可能性を持っているのに、枠にとらわれて生きづらくなってしまうんですよね。

しゃゆーん
子どもたちに関しては周囲の大人の責任ですが、「良い大学に入ること」が人生の終着点であるかのように思っている子が多かった。それから、将来の夢を話すことが恥ずかしいだとか、夢があってもどうせ叶わないと思いこんでしまっている子も。変に大人ぶってリアリストになってしまっているんです。
しゃゆーん
それから、女性たちの中には「自分には、何の資格も能力もスキルもないんだ」と劣等感でいっぱいになってしまい、嘆いている人がいました。オンラインアシスタントサービスは自宅で仕事ができるので、それまで仕事をしたくてもできずにいた女性たちに歓迎されていたんですね。長い間家庭に入っていて社会とのつながりが希薄になってしまい、自分の存在価値を見失っているような人が少なくありませんでした。
鈴木せいら
人によっては、自分で自分の考えを狭めてしまっていることにも気づいていないかもしれないですよね。
しゃゆーん
そうですね。だからこそ、誰かが自分の”枠”に気づいて飛び出せた体験を知って、ハッとすることもあるのではないかな、と思います。一見軽やかにシフトチェンジしているように思える人でも、実はそこに至るまでの葛藤や地道な努力があるかもしれません。他者の生き方からヒントをもらえることは、たくさんあると思います。

ことばの持つ力を信じたい メディアで発信することの意義

鈴木せいら
最近では発信するための手段が多様化されて、動画やインスタ写真など、伝えたいことがある時に様々な選択肢があると思います。「webメディア」という形を選んだのはなぜでしょう?
しゃゆーん
それは、言葉の心強さを知っているからです。言葉って、身近なコミュニケーション手段でありつつ、とても難しいですよね。どんなに言葉を尽くしても、分かり合えないことや誤解を生んでしまうことがある……。それでも、言葉という文明を持っているのは人間だけです。
しゃゆーん
私は学生時代に文学を学んでいたこともあり、「言葉」のひとつひとつに込められた、カルチャー、情景、感情、バックボーン、そのすべてにアクセスできる可能性があると思っています。それほど、言葉が潜在的に持っているパワーというのはすごい、計り知れないものがある。だから、webメディアを通して「言葉」で伝えることを選びました。
鈴木せいら
ご自身が誰かの生き方を文章で読んで、心を動かされたことはありますか?
しゃゆーん
エッセイやインタビューを読んで感銘を受けたことは、何度もあります。
しゃゆーん
少し前になりますが、話題になった上野千鶴子教授による東大祝辞に関連して、学生たちが発信したWEBマガジンにも刺激を受けました。上野教授の祝辞については激しく論争が起こりましたが、学生たちが上野教授から得た気づきが情報に厚みを持たせていて、自分ごととして真摯に問題と向き合っていると感じました。衛星的に情報がひろがっていき、醸成されていくのはネットならではの良さだと思います。

心の処方箋になるような物語を

鈴木せいら
「No Frame」から発していくメッセージをどんな人に届けたいと思っていますか?
しゃゆーん
何かの壁にぶつかって、自分に自信がなくなってしまった人。
しゃゆーん
理想のとおりに生きられなくて、自分に嫌気がさしてしまった人。
しゃゆーん
何を糧に生きればいいのか、分からなくなった人。
しゃゆーん
日々、理由も分からずに何かにもやもやしている人。
しゃゆーん
そして、何かをめざすこと、達成すること、何者かにならないといけないと強制される、あるいは強制することに疲れた人。
しゃゆーん
そういう人たちに「時には迷いながら、時には揺れながら、あるがままに揺蕩ってもいいんだ」と伝えていきたいですね。それが、処方箋のように誰かの心に沁みわたればうれしいな、と思います。
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鈴木せいらのアバター 鈴木せいら ライター・歌人

ライター歴11年目。北海道在住。本とビールと珈琲が好き。

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