「時間がない」は朝活で解消!家族それぞれのベストバランスを考えた働き方とは

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近年は子育てをしながら、働けるスタイルとして「在宅ワーク」を選択する母親・父親が増えてきました。一方で、「子どもが家にいるときは、仕事場や仕事時間を確保するのがむずかしい」「仕事と育児・家事との切替が苦手」という声もよく聞きます。

そこで今回は、3人の子どもを育てながら、在宅と対面を活用しフリーランスとして日々奮闘されている浦添さんへインタビューしました。在宅で働きながら、どのように家事・育児とのバランスをとっているのか、また、妊娠・出産期にはどのようにキャリアを描いてきたのかについて、詳しくお話をうかがいましたので、その工夫の数々や家族との関わり方などを、ロールモデルの1つとして、ぜひ参考にしてみてください。

こんな方にお話を伺いしました

KANAE Attractive 代表・浦添 佳奈絵(うらぞえ かなえ)さん

子ども2人の育児と航空会社在職中に「魅力学®」の資格を取得。2019年に独立起業した際には、並行して那覇市の青年会議所の活動にも取り組む。その後、夫の転勤により関西へ移住。関西と沖縄で仕事をしながら三人目妊娠出産。現在は航空業界を目指す学生向けの講義や沖縄・関西・関東等様々な地域で企業向けマナー研修やセミナーを行う。

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朝型生活で仕事時間を確保!スケジュールは夫にすべて共有

現在のお仕事は?

2019年に人材育成を独立開業しました。現在は、航空業界を目指す学生の面接対策や、企業研修などのお仕事が中心です。1歳、9歳、11歳の子どもがいるので、いまは自宅からリモートで行うお仕事の割合を増やしています。

3年前に夫の転勤にともない、生まれ育った沖縄から、関西に引っ越してきました。引っ越した後もありがたいことに沖縄でのお仕事をいただいて、今年の2月に沖縄で開催された「SDGsフォーラム」では司会を担当しました。いまは沖縄と関西の両方のお仕事に取り組んでいる状態ですね。

夢を叶えたい人をサポートする事業を起こすことは、学生時代からの夢だったので、働くことはすごく楽しくて。結婚前に熱中していたフラダンスもいまは踊っていないので、もはや仕事が趣味で、リフレッシュにもなっています。

お仕事の時間はどのように確保していますか?

朝の時間に、集中的に家事を済ませて、家族が全員出かけた後、すぐに仕事にとりかかれるようにしています。以前、資格取得のために朝4時に起きて勉強する生活を送っていた頃から早起きを続けていて、最近は夫も「これ、いいね」と言って朝に勉強しています(笑)。

あとは、子どもの帰宅後にオンライン会議が入っていたり、夜に仕事が入っていたりすることもあるので、そのようなときは「お母さん、今日の夜は仕事があるんだ」とか「いまから会議だけど、晩ご飯は先に食べたい?それとも後で一緒に食べる?」というように伝えて、確認するように心がけています。

自宅でのお仕事風景

家族へ仕事についてたくさん話されているのですね。

そうですね。子どもたちには、それこそ毎日帰ってきたときに、今日その後どんな予定があるかを直接伝えています。

夫とは、2年前ぐらいから「TimeTree」というアプリでスケジュールを共有するようになりました。出張などが入りそうなときは、先に「こんなお仕事が〇日に入りそうなんだけれど、日程は問題ない?」と夫に確認して、大丈夫そうであればお仕事を受けたり、LINEで「いまから、〇〇さんとお話してきます」と共有したり、こまめに連絡しあっています。今日も「いまから、取材受けてくるよ」と伝えてから来ました(笑)。

「TimeTree」を使用して家族の予定を詳しく共有

すれ違いの解消法は、話し合いと感謝の気持ち

家族との生活と、フリーランスの仕事を両立する上で、他に工夫されていることはありますか?

特に家電などは取り入れていないのですが、少しずつ夫や子どもにも家事を任せるようにしました。例えば、私が出張に行く前にする準備は、料理ぐらいです。数日家を空ける場合は、数日分の食事を全部準備していきます。

はじめは日帰り出張から、徐々に出張期間を伸ばしていって、いまでは最長5日間なら私が家をあけても問題ないですね。だから、「もう海外出張も行けるね!(笑)」と話しています。お仕事があって求められるのならば、どこへでもかけつけたいので。

もちろん、当初は帰ってくると食べ終わった食器が残っていたことや、作り置きを食べずに外食していたこともありました。でも、それに対して怒りはしなかったんです。

洗い物が残っていて、洗濯がされてなかったとしても、死ぬわけじゃありませんから。子どもたちを見ていてくれたことに「ありがとう、助かったよ」「おかげでこんな仕事ができたよ、ありがとう」と、とにかく感謝を伝えます。そのうちに、「これをしておいたら、帰ってきたときに楽かな?」と思って、洗い物をしてくれたり、帰る頃にお風呂を沸かしておいてくれたりするようになりました。

すごいですね。どうすれば、そのように家庭内が変化していくのでしょうか?

「してあげている」という感覚をなくして、たくさん感謝を伝えることが大事だと思います。

私も専業主婦だった頃は、夫に家事をさせたくなくて、「何もしなくていいよ」と言っていたんです。だけど、子どもらが2歳と5歳になった頃、家事・育児に仕事や資格の勉強が加わってからは、辛くなってきて、半年に一度は感情が爆発してしまっていました。

そのときに、伝えないと大変なことも気持ちも相手には伝わらないのだと感じて、少しずつ話し合うことが増えて、家事・育児も任せられるようになりました。

例えば、夫がやってくれたことは本人の前で感謝の言葉を伝え、お互いの親の前でも「夫がこういうことをしてくれて、本当に助かったんだ」と伝えました。そうすると、気持ちがより伝わるのか、もっとやってくれるんです。いまでは夫も授乳以外なら何でもできるので、「ありがとう。私はあなたと結婚して幸せだ!」と、毎日言っています(笑)。

それから、子どもに対しては、自分が働く姿をかなり見せてきました。私自身、幼い頃、両親が楽しそうに働く姿を見て、ずっと私も「あんなふうに働きたい」と思っていました。特に母の職場は女性が多く、子どもを連れてくる人も結構いました。「学校を休んだから連れてきた」といって、受け入れてもらえる職場だったんです。それで、私も沖縄で青年会議所の活動をしていたときは、帰りが遅くならなさそうな日や学校が休みの日には、子どもたちを連れて行っていました。

沖縄の学校でキャリア教育の講師をつとめた

ただ、当時私は独立したばかりで、青年会議所の活動にも取り組んでいたので、1年360日外に出ている状態で。コロナ禍で在宅勤務になった夫が子どもを毎日学校に送り出してくれて、すぐ近くの私の実家で帰宅した子どもたちを見てもらい、夕食も食べさせてもらっていました。そんな中、仕事はだんだんと軌道にのってきたのですが、夫とのコミュニケーションも、子どもとの時間も十分とは言えませんでした。

そして、私の仕事が軌道に乗り始めた頃、夫の転勤が決まったんです。

気持ちの切り替え術と家族とのコミュニケーション方法

思い描いていたキャリアデザインがいきなり変わりましたが、気持ちの切り替えはどのようにされたのでしょうか?

将来的には夫の転勤を予想していたものの「このタイミングで‥‥‥」と正直思いました。夫も単身赴任するつもりでいてくれたようです。

でも、子どもたちが「一緒に行きたい」と言っているのを聞いて、「仕事はいつでもどこでもできるけれど、この家族のかたちを失いたくはない」と思い、全員で関西に行くことを決めました。それで、在宅での仕事を中心に仕事量をおさえるスタイルに切り替えたんです。仕事は大好きなので、めちゃくちゃ後ろ髪はひかれましたが、いまは目の前のことをがんばろうと思っています。

実は、そう思えるようになったのは、メディアで目にした言葉も影響しているんです。「メンバーそれぞれ輝く時期が違う」というもので、「誰かが表舞台に立っているとき、それ以外の人はサポートに徹する。いつか自分の番がくるから、それまではできることをがんばる」という考え方が響きました。この考え方は主婦にも当てはまると思います。

私の場合は、1日360日働いていた頃、夫や母・姉に支えてもらいました。いま、夫はとても忙しく働いていて、私のほうが家にいる時間が長くなっています。でも、そのうち年上の夫が先に定年退職すれば、「今度は私が思う存分働ける〜!」と思って、いまからワクワクしています(笑)。

「なんで私だけ」から「今はあなたの番なのね」と思えるようになってから、焦りや妬みがなくなりましたね。家庭のバランスは、お互いが支え合うことが大切なんだと思います。我が家では夫婦2人だけで話すのではなく、子どもたちも含めて、どこがいい塩梅なのか話し合うようにしています。誰かひとりでも苦しむ状態は持続可能なものではないので。みんなが楽しい家族のあり方かどうかは、意識するようにしています。

夫や子どもたちとのコミュニケーションを取りながら、いまは家族が互いに支え合って生活できているなと感じます。

話し合いで感情的にならないコツはありますか?

私は仕事柄、「感情との向き合い方」を伝える立場なのですが、最初は抱え込みすぎてうまく伝えられませんでした。でも、伝えていくうちに、この感情は相手を傷つけたいわけでも、こらしめてやりたいわけでもなく、さびしさや「理解してもらいたい」「本当はもっとこうしたい」という気持ちだとしっかりとわかってからは、以前のように会話が増えました。

まずは「自分の今のこの感情ってなんだろう?」と考えてみてください。自分の本当の気持ちに気づいて、相手を責めずに、大好きで、いじわるしたいわけじゃないと伝えれば、喧嘩せずに話し合うことができると思います。

過去に学んだアンガーマネジメントが仕事だけでなく、家族への接し方にも活きている

それから、過去に子育ての先輩から教わった、「『してあげた』とか、何か見返りを求めるようになったら、 自分のやりすぎ」という言葉を大事にしています。例えば、「何かをやってあげたい」と思ってしたときは、別に感謝の言葉は求めないじゃないですか。

反対に、自分が無理しているときは「なんでこんなにやったのに、ありがとうの一言もないの?!」とか「一生懸命作ったご飯を残すなんて!」とか、いろいろと思うところがありますよね。

でも、それは自分自身が疲れているからで、相手には相手の都合があると考えると、「今は疲れているのかな?」「お腹が空いていないのかな?」と思えるので「あなたのベストタイミングはいつ?」というふうに声をかけられるようになりました。

自分と家族のコンディションを気にかけつつ、「本当はどうしたい?」を大切にしている

在宅ワークをしていると「お仕事モード」と「子どもと話すモード」の切り替えがうまくいきません。なかなか集中できないときは、どうされていますか?

無理に切り替えないことですね。私の場合、オンラインの仕事時には、最初から「小さい子どもがいるので、泣き声が聞こえることもある」と伝えるようにしています。

一番下の子の産後は、ベビーシッターやヘルパーなどのサービスに登録したものの利用はしないままで、保育園も1歳未満はなかなか預け先がなかったので、在宅での仕事が中心となり、仕事量もかなりおさえました。

子どもが昼寝する時間帯に予定を入れるようにしていたものの、どうしても起きたり泣いたりすることもあるので、そのときは赤ちゃんを抱っこしながら、企業の方の話を聞いたこともあります。

先日ちょうど仕事で、学生たちの面接対策をしていたときも、学生たちに「どうぞおかけください」「恐れ入りますが、お立ちください」と声をかけるはずが、疲れが溜まっていたのか、「座ってごらん」って言っちゃったんですよ(笑)。それを聞いた学生たちも笑ってくれていたので、「ごめんね、お母さん出てきちゃった」と言って笑い話にしました。母であることを隠さないでいると、結構わかってもらえます。無理しないことが大事ですね。

仕事中に呼ばれたら、一度とことんコミュニケーションをとる。そのほうが、かえって時間がかからないことも

体力的に、大変なときはありませんか?

「これ以上はちょっとやばいな」と疲れを感じたときには、「休憩しよ」と言ってリラックスするように意識しています。

日中にスパに行って体を癒したり、好きなテレビ見たり、とにかく寝たり。子どもたちにも「ごめんね、お母さんちょっと疲れてるから寝かせて」と言っていますね。夫が「無理しないで。もう家のことは何もしなくていいから、とりあえず寝てて」と休む時間を作ってくれることもあります。基本的に週末の朝はゆっくりと休み、起きてきたら夫と息子が家事をすべて終わらせています。本当に助かっています。

実は過去にメンタルの病気になったことがあるんです。摂食障害やうつ病になって、入院もしました。その経験がいま、ワークライフバランスをはかるバロメーターになっています。やっぱり私が倒れるのが、家族は一番大変だと思うので、自分のいまのバロメーターがどのような状態かは、意識するようにしています。

フリーランスとしての独立後は、「助けてあげたい」とか「サポートしたい」という気持ちから、受け過ぎてしまうこともありましたが、いまは抱えすぎず、調整するように心かげています。

小学校が長期休暇のときは、どうされていますか?

基本的には、長期休暇中はあまり仕事を入れないようにして、休みが始まる前に仕事をするようにしています。沖縄では一番上の子は学童に通っていたのですが、いまは二人とも行っていないので、ご飯も3食作らないといけなくて。それもあって、できるだけ子どもたちと一緒に過ごしています。仕事をする時には声をかけるようにしていて、そうすると「うん、わかった!」と言ってくれますね。

浦添さん流の、在宅ワークと育児を両立するコツはなんですか?

子どもたちが風邪をひいたときも、いまは私が対応するしかなく、どうしても働き方が限定されています。しかし、そのようなことも「意味があっての今なんだ」と思って、コミュニケーションを積極的にとりながら、「お母さんは完璧な人間じゃないから、協力してね」「ありがとう」と伝えていました。

そのうちにお互いに感謝できる関係性を構築できたのだと思います。近頃は夫や子どもたちのほうから、「なにか手伝うことない?」「いま、お母さんは忙しそうだから(下の子と)遊ぶよ!」と言って、家事や育児を引き受けてくれるようになったんです。もちろん、子どもたちにとっては「ゲームをしたい」が理由の場合もありますよ(笑)。それでも9歳の長男は、夜のルーティーンとして、夕食後のお皿洗い後、弟を寝室に連れていき寝かしつけまでしてくれるのです。あまりにミラクルなサポートに、授乳でしか寝ないと思っていたのは、私だけだったと衝撃を受けました。

何でもやってあげるだけが子育てではないと思うので、自立させるためにも、料理や洗濯物たたみなど、日々いろいろなことを手伝ってもらっています。

夫からは「やりたいことがあるんだったら、サポートするからやってみたら?」「こういう資格の勉強もいいんじゃない?」と提案してもらうことも増えました。いまでは仕事のことも育児のことも相談できる、私にとって最強の味方です!

あとは、なによりも体を大切に。自分のバロメーターをちゃんと意識しながら、ひとりの時間も持って、家族のかたちを楽しく持続できるバランスを見極められるとよいと思います。

まとめ

浦添さん流・育児在宅フリーランスを続けるコツ
  • 「やってあげる」感覚をもたない
  • なにごとも完璧を目指さない
  • 体調のバロメーターを把握し、無理せず休む
  • いつか自分が輝けるタイミングをたのしみに待つ
  • 家族と話し合うときは、責めずに、自分の本心を伝える
  • 「ありがとう」と、何度でも伝える
  • 自分たちなりのバランスを、家族全員で探す
  • 夫を最強の味方にする
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AUTHOR

もえこのアバター もえこ 在宅ワーキングマザー

兵庫県在住。小学生2人を育てながら、現在ほぼフルタイムで在宅ワーク中。趣味は推し活と読書。

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